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もう失敗しない!物件調査で必ずチェックすべきポイント7選!

はじめに~物件調査の概要~

 購入を検討する物件の現地調査、これを弊社では物件調査と呼んでおります。物件を購入する場合、ほとんどの方が現地に訪問し、どんな物件なのか確認すると思います。

 ただ、実際に見に行ってもどのような点を注意すべきか分からない方が多いのではないでしょうか。今回は弊社が物件調査を実施する際に、実際に注意している点をいくつかお話します。

 尚、物件を見ずに購入する方もいらっしゃいますが、弊社ではあまりおすすめしていません。なぜなら物件の資料が間違っていることがあるからです。不動産会社様が悪意を持っているわけではなく、一棟物の不動産の注意するポイントを理解していないことがあるのです。

 特に地方ではその傾向が顕著でして、大家業をやる方はお金持ち、細かい点は気にしない方じゃないと出来ない、という考え方をされる不動産会社様が一定数いらっしゃいます。

そのため、経験のある方であれば見なくても良いと思いますが、出来る限り現地に伺うことをおすすめしています。

ポイントその1:レントロールとリンクしているか確認しましょう!

 まずは一番大事なレントロールです。

 こちらが実態とリンクしているかどうか確認しましょう。信じられないことですが、レントロールのお部屋の数と実際のお部屋の数が合っていないことがあります。実際に弊社の調査でも3年に1回は出てくる問題です。かならず確認しましょう。

 その他にも賃料以外の収入源がある場合は確認しておくべきです。具体的には駐車場の台数があっているかどうかやアンテナ、広告看板の有無などです。不動産会社様の勘違いで他の物件の収入がレントロールに紛れ込んでしまっている可能性もあります。

ポイントその2:外壁はしっかりみましょう!

 収支関連のチェックができましたら次に外見です。

 特に外壁の状況はしっかりとみておきましょう。私も皆様の「見ても分からない」というお気持ちはよくわかります。

 実際に私も外装の専門業者ではないので本当に詳しいところまではわかりません。ただ、いくつかのポイントに注意しておくだけでも十分効果がございます。

 まずはシーリングです。検索していただければどのようなものか、すぐにご理解いただけると思います。こちらが固まって割れてしまうと、雨水が入りこみ、水漏れが発生することがあります。理想は弾力がある状態ですが、割れていなければ及第点です。

 次にタイルです。タイルに雨水が入り込んでしまっていると、室内に雨漏れが起こるだけでなく、タイルが崩落してしまい入居者さんに被害がでる可能性がございます。

 確認方法としては少し癖があるのですが、太陽の光があたっているところをいろんな角度から見てみましょう。波打っているように感じた場合はその箇所に雨水が入っている可能性がございます。

ポイントその3:お部屋の中もきちんとみましょう!

 外回りを見たら、内装もしっかりと確認しましょう。

 入居者が好みそうなお部屋かどうかは人それぞれだと思いますので置いておきまして、こちらも雨漏れが起こっていないかどうかチェックが必要です。

 お部屋の天井の四隅が黒ずんでいたりして湿ってそうな場合は分かりやすいケースですし、見ていて気づかれると思います。注意すべきは出窓の傍です。

 出窓の付近は雨漏れしやすいので、実際に自分で触り状況を確認しましょう。クロスがはがれていたり、黒ずんでいるケースは雨漏れの可能性があります。不動産会社さまに確認してもらいましょう。

 またわかり辛いポイントですが、臭いにも敏感にしておきましょう。この場合の臭いはカビの臭いです。上記のように見て分かればよいのですが、そこまで被害になっていないことも多いです。

 雨が漏れている場合はクロスと下地の中でカビが発生していることもあります。カビの臭いがするかどうかは怪しいラインですが、気にしておいた方が良いのは間違いありません。

 ちなみに下水の臭いがする場合はほとんど問題ではありません。詳しくは割愛しますが、長い間空室になってしまっているお部屋はトイレのお水がなくなってしまい、下水の臭いがお部屋まで上がってきてしまうことがあります。

 これはお水を流せばすぐに解決しますのでご心配なさらず大丈夫だと思います。長期的な視野で成功させることができます。

ポイントその4:管理状況や賃借人の属性を感じとりましょう!

 お部屋の中を見たら、次に共用部の雰囲気をみてみましょう。

 こちらは言語化しやすいポイントが多いです。空き缶やペットボトルなどのポイ捨てがあるか、共用のゴミ捨て場(チラシ捨て場)が整頓されているか、郵便受けにチラシが貯まってしまっているか、廊下に私有物を置いているか等です。

 これらは改善する項目というよりも、どのような属性の入居者が住んでいるか、そのような属性の入居がターゲットになっている物件かどうか、確認するために使います。

 少し違う話かもしれませんが、外国籍の方が多い物件は共用部で集会を開いたりしてしまうのですが、そもそも外国籍向けの物件であれば想定通りです。

 しかしこれが日本の一般的なご家族をターゲットにする場合は大問題です。なぜそうなっているかを確認して、対策を考える必要があります。

ポイントその5:点検関連を確認しましょう!

 各種法定点検がしっかりと実施されているかも確認しましょう。

 消防点検は消火器や火災報知器、受水槽点検は受水槽、浄化槽点検は浄化槽、エレベーターは昇降機内に点検票が貼ってあります。そちらを見れば最後に点検をしたタイミングもわかりますし、報告書の有無も想像できると思います。

 もしそれらの点検票が見当たらない場合、法定点検を実施していないことになります。
 意外と点検を実施していない大家様は多いです。トラブルになっていないか確認すること、引き渡し後に点検を実施するために費用がかかることは頭にいれておきましょう。

ポイントその6:導線で気になるポイントを見ておきましょう!

 さて、今度は新しい入居者様の気持ちになって物件を見てみましょう。

 駐車場に車を止めてから室内に入り、出てお車まで戻ってみましょう。この導線はとても大事です。入居者さんは細かく物件を見ませんので、物件を気に入っていただけるかどうかはこの導線の印象次第になります。

 いかに大規模修繕履歴があったとしても、内覧する方から見える部分が汚ければ入居付けに関してはあまり意味がありません。

 空室が多い物件などは購入した後に入居率の改善がマストになりますので、その場合はこの導線を掃除できれいする、それで間に合わなければ修繕工事などが必要になると頭にいれておきましょう。

ポイントその7:現地での気になることに敏感になりましょう!

 ポイント『その3』や『その4』にもリンクする内容になりますが、現地にいる際に気になることがあれば無視せずにメモなど取っておきましょう。

 一番注意すべきは騒音や悪臭です。工場は隣接していなくても意外と影響がありますし、飛行場は距離があっても離着陸の音が聞こえるケースがございます。隣のお家がゴミ屋敷になってしまっていることもあります。

 これらは満室で運営されている物件であれば気にしなくても良いかもしれませんが、空室が目立つ物件は要注意です。もしかすると入居が付かない理由はこういうところにあるかもしれません。

おまけ~意外とどうでもいいポイント~

その1:越境されているものは許しちゃえばOK!

 さて、ここまで大事なポイントでしたが、ここからはあまり気にしなくても良いポイントを書こうと思います。

 まずは越境されている場合です。これは他人地に収まるべきものが、こちら側の土地にはみ出てしまっている時ですね。よくあるものは樹木や雨どい、引き込み電柱線などです。

 これらは越境している方に対して是正を求めることができますが、トラブルになりやすいので放置しておくことをおすすめしております。隣地の方とは仲良くしておくに越したことはありません。入居者に迷惑がかからないのであれば気にする必要はないでしょう。

 しかし、越境している場合は問題を解決しておくべきです。実は越境している土地の方をトラブルになっていた、なんてケースもよくある話です。必ず確認しましょう。

その2:お墓があっても気にする人は少ないです!

 その次は周辺の施設です。周辺環境に影響を及ぼす施設はたくさんございます。ごみ処理場、刑務所、暴力団事務所など売買の時に告知しておくべき施設ではございますが、その中に墓地、お墓もございます。

 もちろん気になってしまう人もいると思いますが、経験から言うとそんなに嫌がる人はいない印象です。筆者自身がお墓の近くの賃貸に住んでいたこともあるからかもしれません。

 実際に売買に携わった物件にはお墓の近くのものはたくさんありますが、そのせいで入居付けに困っているという話は聞かないです。

その3:駅までの距離はそこまで重視しなくてもよいかも!

 最後に駅までの距離です。都心にお住まいの方は駅までの距離を重視する方が多いと思います。

 しかし地方の物件では車社会であることが多いです。最寄り駅が近くにあっても、電車はめったに使わないなんて話はよく聞きます。

 勿論、近いに越したことはないのですが、どちらかというと駐車場の台数が戸数分書くほどされている方が大事だと思います。

まとめ

 今回は物件調査について大事なポイントをまとめました。

 折角のお休みに貴重なお金を使って現地に行くのですから、観光やグルメなども満喫して楽しんで物件調査をしていただければと思います。

 その上で本文が少しでも調査にお力添えできれば幸いです。