地方高利回り物件投資の基礎知識

地方高利回り物件とは何か?
地方の高利回り物件とは、都心と対照的なエリアに位置する、比較的高い利回り(投資利益率)を期待できる物件のことを指します。
価格が比較的安価なため、賃貸収入の手残りが多くなり、高い投資効率を得ることができる可能性があります。
今回はそんな地方高利回り物件の基礎知識について触れていきましょう。
地方不動産市場の現状と傾向
地方の不動産市場では、価格の変動が都市部に比べて比較的少なく、安定傾向にあります。
人口減少が進み、賃貸需要が減少する地域もある一方、高齢者向けの住宅や介護施設などの需要が増加してる地域も多くあります。
リモートワークの普及や移住の増加なども地方不動産市場に今までにない良い影響を与えはじめています。
地方不動産市場は、地域ごとに特性が異なりますが、今後十分に期待できる市場と言えるでしょう。
投資前に知っておくべき基本用語
投資前に知っておくべき基本用語は以下のようなものがあります。
・利回り
投資利益率のことであり、投資額に対する収益の割合を示します。通常は利益を投資額で割ったものですが、細分化すると下記のような種類があります。
①グロス利回り(表面利回り)
グロス利回りは、管理費や税金、保険料などの経費を考慮せず、単純に物件の年間の総賃料収入(総収入)を物件の購入価格で割った割合を示します。
総収入1,000万円 ÷ 購入価格10,000万円 = グロス利回り10%
賃貸事業で発生する諸経費等が考慮されていないため、正確な収益性を判断する際には不十分な指標とも言えます。
②ネット利回り(実質利回り)
ネット利回りは、物件の年間のネット賃料収入(賃料収入から経費を差し引いた額)を物件の投資額(購入価格や修繕費用などの投資にかかった金額)で割った割合を示します。
(総収入1,000万円 – 年間経費300万円)÷ 購入価格10,000万円 = グロス利回り7%
管理費や税金、保険料などの経費を考慮した実際の収益性を把握するために重要な指標です。
・路線価
(相続税)路線価とは、道路(路線)に面する標準的な宅地1㎡当たりの価額で、相続税や贈与税の課税基準となる土地の価格として利用されています。
毎年評価され、その価格水準は実勢価格に近い地価公示価格の約80%となっており、投資対象の土地の相場を評価する際にも役立ちます。
・キャッシュフロー
不動産投資における収入と支出の差額を指し、物件の運用によって得られる現金の流れを示します。
・空室率
物件の総戸数に対する空室の割合を示します。
高空室率が長期間続いている物件は何らかの問題が発生している可能性が高く、早急なテコ入れが必要な場合が多いです。
・修繕積立金
物件の修繕やメンテナンスに必要な費用を積み立てるための資金です。
物件の価値や需要を維持するために必要な項目です。
・節税措置
投資によって得られる収益に対して、税金を節約するための方法や措置です。
不動産投資においても様々な節税措置が存在します。こちらはまた次回。
まだまだ基礎的な用語はありますが、これらの用語を理解することでより深い不動産投資の知識を身につけ、賢明な投資判断を行うことができます。
地方高利回り物件のメリット

高い利回りの魅力とは
地方の不動産価格は都市部よりも安価であることが多いため、比較的少額の資金で不動産を購入することが可能です。
以下は地方別の公示地価の平均額です。
地方 公示地価平均(引用:https://tochidai.info/)
東北地方 7万0097円/㎡
関東地方 45万2526円/㎡
中部地方 12万5937円/㎡
関西地方 20万0906円/㎡
中国地方 8万9730円/㎡
四国地方 6万3711円/㎡
九州地方 11万5291円/㎡
このように、関東の地価と比較すると、その他地域の地価は低い金額で購入可能なことが分かります。
また、地方では都市部に比べて物件の供給量が比較的少なくなっています。
そのため需要と供給のバランスが都市部よりも安定しており、空室率が低いのでキャッシュフローが安定しやすく、高利回りの維持が期待できます。
初期投資額の抑制可能性
地方の高利回り不動産投資では、初期投資額を抑制する方法があります。
具体的には、価格が比較的低い地方物件を選ぶことや、ローンを活用して投資額を抑えるなどです。
また、物件の状態や需要に合わせたリノベーションや改修の自己負担を最小限に抑えることも初期費用を抑えるために必要になります。
例えば屋上防水工事や外壁塗装などの大規模な修繕が必要な場合、100万~300万円程費用がかかる可能性があります。
さらに、複数の投資家と共同で物件を購入することや、地方自治体や地域振興機関が提供する助成金や補助金を活用するなどの選択肢もあります。
これらの方法を活用することで、初期投資額を抑えることが可能です。
地方物件特有の市場ニーズ
地方には都心には無い、『ならでは』の市場ニーズが存在します。
これらのニーズに応える施設やサービスへの需要は近年どんどん高まっており、地方不動産投資において市場ニーズをとらえることは『勝つためにマストな事項』と言っても過言ではありません。
高齢化社会への対応、住環境の改善、観光地の需要、地域振興、リモートワーク環境の整備、教育機関の提供など、地方物件特有の市場ニーズの把握を行うことで、地方物件でも『勝てる物件選び・運用』を行うことが可能です。
時代の流れやトレンドによって投資する先の地方を複数に分けるなどリスクの分散も必要となるでしょう。
地方高利回り物件のデメリットとリスク

入居率の変動リスク
地方高利回り物件の入居率の変動リスクは次の要因によって影響を受けます。
地方の人口減少や高齢化が進んでいること、経済状況の不安定さも入居率に影響を与えています。地域特有の需要の変化や物件の管理状況も重要です。
また、競合物件の存在や質も考慮する必要があります。
近くに賃料が安価な物件や設備が充実している物件がないかリサーチする必要があります。
空室のリスクが怖い場合は一括借り上げやサブリースを利用するという手段もあります。
地方物件の流動性問題
地方物件の流動性問題とは、不動産を売買する際に生じる売却の難しさや時間がかかることを指します。これは需要が限られていたり、地域経済が停滞していたりすることが原因です。
地方の不動産市場では価格の変動が都市部よりも緩やかですが、需要の低下や経済の停滞によって価格が下落する可能性もあります。
さらに、地方物件に対するリスクへの不安が高まると、買い手が減少し、売却が難しくなる傾向があります。
投資を考える際には、地域の特性や市場の流動性を理解し、リスクを十分に考慮する必要があります。
管理・維持の難しさ
地方物件の管理や維持には、いくつかの難しさがあります。
都市部から距離が遠く、物件に直接アクセスするためには時間やコストがかかります。
また、業者数が限られているため、修繕やメンテナンスを行う専門家を見つけることが難しい場合があります。
地域の気候条件も問題となります。台風や大雪など、厳しい気候条件下では建物や設備の劣化や故障が頻発し、管理や維持が難しくなります。
さらに、地域社会との関係も重要です。地域住民や自治体とのコミュニケーションや協力が不足すると、物件の管理や維持が困難になることがあります。
物件を所有する際には、これらの問題に対処するための対策を考える必要があります。
成功する地方高利回り物件投資の戦略

地方物件選びの重要ポイント
地方物件を選ぶ際には、以下のポイントに注意を払う必要があります。
まず、地域の需要を確認します。
高齢者向け施設や観光地としての需要など、地域独自の需要があるかどうかを把握します。その上で、地域の賃貸市場を調査し、需要と賃料水準を確認します。
地域ごとに市場の動向が異なるので、地域ごとの情報収集が重要です。
次に、物件の立地条件を注意深く見ます。交通の便や周辺環境など、入居者にとって魅力的な条件を持つ物件を選びます。
また、物件自体の状態も重要です。古い物件などはリノベーションや修繕をして付加価値をつけましょう。
さらに、物件の将来性を見込みます。地域の発展計画やインフラ整備などを調査し、将来的な需要の増加や賃料の上昇の可能性を考慮します。
最後に、物件のキャッシュフローを評価します。物件の収益とコストをバランスよく評価し、キャッシュフローがプラスになるかどうかを慎重に検討します。
これらのポイントを考慮して物件を選ぶことで、投資リスクを最小限に抑えて高利回りの不動産投資を行うことができるでしょう。
リスクヘッジの方法
地方物件投資でリスクを軽減するためには、まず資金を複数の物件に分散させます。
次に、安定したキャッシュフローを確保するために、入居率が高く、賃料収入が安定した物件を選択します。
適切な保険を活用し災害や事故に備えます。
専門家のアドバイスも受けつつ、地域の需要や市場動向を綿密に調査し、慎重な物件選定を行いましょう。
これらの方法を組み合わせて、リスクを最小限に抑えた地方物件投資を行うことが重要です。
長期的な視野での資産運用
地方高利回り物件投資で長期的な資産運用を行うためにはまず、安定したキャッシュフローを確保することが重要です。
高い入居率と安定した賃料収入を持つ物件を選択し、収益の安定化を図ります。
次に、物件の価値向上を考えます。物件の改修やリノベーションを通じて、将来的な資産価値の増大を目指します。
また、地域の将来性を見据えた投資を行います。地域の発展計画や需要の見込みを考慮し、需要の増加や賃料の上昇に期待します。
リスク管理の徹底も欠かせません。
適切な保険の活用やリスクの分散化を行い、予期せぬリスクに備えます。
最後に、収益の再投資を行います。
新たな物件を購入するなどの追加投資や、投資既存の物件の改修やリノベーションを行い賃料収入の増加や空室率の減少につなげる等様々ですが、収益を元に株式や債券などの金融商品への投資や、新しいビジネスや事業への投資なども可能です。
収益を積極的に再投資し、資産を増やしていきましょう。
これらの戦略を組み合わせることで、地方高利回り物件投資を長期的な視野で成功させることができます。
地方高利回り物件投資の事例と学び

失敗事例とその教訓
地方の高利回り物件投資における失敗事例の中には、需要の読み間違いや管理やメンテナンスによる失敗だけではなく、詐欺などの悪質な手口に巻き込まれるケースも存在します。
信頼できる不動産業者に自分の希望をしっかりと伝え慎重に物件を選定することで失敗する確率を大きく下げることができます。
地方不動産市場の今後の展望
地方不動産市場の今後の展望としては、活性化が期待されます。
特に、地方への移住やリモートワークの普及などの影響により、地方の不動産市場には新たな需要が生まれる可能性があります。
投資家は、このような市場の変化に敏感に対応し、地域の特性やニーズに即した投資戦略を展開していくことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。不動産投資において正しい知識を汲み上げる力は必要不可欠となります。
投資物件選びは利回りも含め、立地条件や建物の構造、築年数、耐震性などさまざまな要素を考慮する必要があります。
何かご不安なことがございましたら是非当社にお気軽にご相談いただけますと幸いです。
微力ながらいつでもお力にならせていただきます。